水漏れ

微が頬へ現れた頃、歌い手三人ばかりが残照の花園に現れて、一人は水漏れ 枚方市を奏で、一人がそれに合せて節面白く唄って酒興を添えてくれるのであった。それにつれて女たちは起ち上って薔薇の花弁を散き、食卓の上へは雪のように花弁が降り濺いでくる。食べている料理の上へ……挙げている盃の中へ!そして我ら自身の体の上へ!唇へ!弊社が充分に飲み食いして歓を尽した頃を見計って奴隷頭は我らを浴室へ導いてくれた。ここには薔薇色をした微温湯の噴泉が菫の薫りをくゆらせつつ噴き上っているのであった。そして三、四人の女たちが現れて弊社の着物を脱がせてくれた。噴泉の飛沫を浴びつつ弊社が一浴して浴池の縁に頭を凭せ掛けている時分、爪磨きの女が現れて弊社の爪を磨いてくれる。雪白の麻布に援われた糸杉の卓上に身を横たえると、黒奴がはいって来て橄欖の香油に浸した手で弊社の全身を擦り始めた。そしてさらに次なる室へと導いてくれた。浴室の浴槽の中に菫と蕃紅花の匂いのする別々の油湯が湛えられ、匂いの好みに従ってどちらかへはいる。疲れはまったく癒え、全身は恍惚とした香気に包まれて艶々と輝き、発剌と若返って生気は溢れて、我が身体ながら見違えるほど美しくなった。頃合いを見計らって黒奴が、たおるのような純白の柔らかい布で我らの身体を援うてくれ、女たちが跪いて白磁の壷から馬鞭草の香油を擦り込んでくれた。