枚方市

そしてさらに次なる室へと導いてゆく。ここは納涼室となって、枚方市 水漏れとじゅぴたー神との彫像が立っていた。香が薫じられて、弊社の身体が乾くのを待って女たちが、肌に柔らかくぴったりとする紫色の肉衣と、折目の付いた真新しい麻の外衣とを揃えて我らに着せ掛けてくれる。弊社は汗と埃に塗れた軍服を脱いで、生れて初めてこの不思議な都会の不思議な着物を身に付けたが、これほどまでに着心地のいい寛闊な衣服が大阪にまたとあろうかと思ったことであった。ゆったりとして軽やかで涼しく柔らかで、生の歓びに更った湯上りの肉体に、これは生のやわらぎをしみじみと感じさせてくれる着物と言うことができた。弊社はこの衣服を着けた時に、二度と再び欧州風の窮屈な着物は身に着けたくないと感じたくらいなのであった。そして外衣を着けて琥珀と猫眼石との嵌め込みのある臥榻に凭れて充分に涼を納れた頃に、女が来てさらにこちらへと導いていった。もうその頃には、赤々と花園を燃え立たせていた残照は、庭の彼方の糸杉と山毛欅と桃金花との森の彼方に隠れて、あたりには夕暗が縹渺と垂れ込めて、壁に設けられた燭台の上には灯が煙々と輝き初めていたが、柔らかな褥を改めた卓上はすでにまったく清められて、新しい料理がまた、山のように並べられていた。